先日久しぶりに近所をうろつく用のMTB、というか正確には・・・
GTのティンバーライン コンプという街乗り仕様の29er。
フロント3枚でリア8枚の24段と言われるいわゆるエントリー向けのモデルのMTBです。
Vブレーキという以外はスペックに特に不満は無いんですけども。
それをとある理由から流行のフロントシングルに変えてみることにしました。
結果的には、
11-42Tのワイドすぎる8Sのスプロケットを使う前提で、
今回はギア比を優先してフロントに30Tを使いましたが、やはりフロントはノーマルの真ん中あたりの歯数がちょうど良かったみたい。
3×8を無理やりフロントシングルにする理由
普通に考えるとタダの街乗り29erをフロントシングルにする必要はありません。
フロントシングル化に当たって、世間一般的に言われている条件として・・・
- ナローワイドのチェーンリング
- ワイドレシオのスプロケット
と、リア8速を無理やりフロントシングル化させようとすると、一般的に市販されているスプロケットでは対応しきれない。

では、何故基本的に不便になるのは目に見えているのに何故フロントシングルにするのか?というと・・・
フロントのシフターを使う頻度があまりにも少なく(乗る頻度も含めて)、フロントのシフターが頻繁に不調になるからです。
定期的にグリスアップしてあげないと、うまく左シフターが動いてくれないので、
それならいっそのこと外してしまおう!
という流れ。
1×8(ワンバイテン)ならぬ1×8(ワンバイエイト)のためのワイドレシオな部品探し
街乗り29erのティンバーライン コンプのスペックはこんな感じです。
- クランクは鍛造アルミニウム 42/34/24T
- スプロケットはSunrace、11-34T、カセット、8-スピード
1×10(ワンバイテン)や、1×11(ワンバイイレブン)と同じようなワイドレシオ化のためには、
11-40Tや11-42T程度のスプロケットが必要となります。
ここが問題。
11-40Tや11-42Tのようなスプロケットは見当たりません。
以前はsunraceから11-40の8速用ワイドレシオなスプロケットが販売されていましたが、現在は入荷未定が続いており、手に入りません。
しかしアマゾンなどで中国から発送されてくるパターンのアイテムの中に8速の11-42Tなるスプロケットが存在していました。
11-13-16-20-24-30-36-42T
の8段です。トップが11、リアが42あとは飛びまくっています。
が、
実際の街乗りで使うギアなんて所詮上から5段程度なので、変速さえキチンとしてくれるのであれば問題ないでしょうw
とりあえずこれをポチる。
このスプロケットが今回の8速ワンバイ化の重要パーツで、ディレイラーハンガーの延長パーツまで付属して3000円程度。
あとは、ナローワイドのスプロケットを購入するにあたり、
ノーマルの34÷24=1.41
に近い歯数として、
42÷30=1.4
30Tのナローワイドチェーンリング。
この辺りもよくわからない中国生産のモノで試していきます。
クランクももちろん中国生産品狙い。
ノーマルクランクは175mmでしたが、
170mmしか販売されていなかったので、170mmのモノをチョイス。
クランクを変更するにあたり、ボトムブラケットもホローテック化するわけですが、ここにもわけのわからない中国生産品を入れてみることにして・・・
これだけ揃えば、使い勝手の良し悪しは抜きにして8速でフロントシングル化、つまり1×8(ワンバイエイト)化の準備は完成です。
ネックは楽天などでは購入することができず、アマゾンでしか探すことはできません。
そして、中国からの発送になってしまうために商品の到着までかなりの日数が必要になってしまうということでしょうか・・・?
でも10000円程度でクランク〜スプロケットまで一式揃って、1×(ワンバイ)化できてしまう安さは魅力です。
1×8(ワンバイエイト)化の部品の到着までにクランクを分解しておく
数年間屋外の駐輪場に保管されて状態もそれほど良いとは言えない我が家の29erなので、事前にある程度クランク周辺は分解しておくことにしました。

ペダルを外し・・・

クランクを抜くためにはコッタレス抜き。

クランクボルトを抜いて、


ボトムブラケットの回転はいつの間にかかなり渋くなっていたようで、交換で正解な雰囲気。

あとはカートリッジBBを撤去しておけば下準備は万全ですが、
取り外しのためにカートリッジBB用の工具とホローテックBB取り付け用の工具2種類が必要になります。
取り外し用のカートリッジBB用ツール
取り付け用のホローテック用ツール
自分は手持ちに両方のツールがあったため購入する必要はなく、純粋に交換パーツ代だけで済みましたが、工具は持っていて損はありません。
カートリッジBB用のツールは挟んで使用するため、32mmのソケットを使うか、
35mm程度まで開くことができるモンキーが必要です。
必要ですというか、何かで代用することも可能かもしれませんが、硬く閉められていることが多いボトムブラケットを外すことを考えると作業効率の面ではかなり面倒なことになると思います。

カートリッジBB用のツールを32mmのソケットで外していきます。

キチンとした道具を使えばそれほど手間をかけずにボトムブラケットを取り外すことができると思いますが、それなりの工具を使わなければ・・・
「外れない!」
パターンで自転車屋さんに泣きついたり、またまた工具を買いに走ったりするパターンの箇所だと思います。

118mmでシェル幅68のBBが入っていましたが、ゴミ箱行き。

ついでに水、砂、サビなどを綺麗に。

後戻りするつもりはないので、このままフロントディレイラー、フロントシフターも撤去していきます。

チェーンをカットしてミッシングリングで繋いでおく。

カラーリングの違うものを使っておけば、あとでつなぎ目を探す時に楽になります。
そして作動不良中のフロントシフターとフロントディレイラーを撤去。


フロントディレイラーを撤去する際にチェーンをカットする必要があるわけですが、フロントディレイラーを破壊するつもりであれば、チェーンはカットすることなく外せます。
でも、どちらにしてもチェーン長を調整するためにはカットする必要がありますね・・・

かなりスッキリしました。
あとはクランク、ナローワイドのチェーンリング30T、11-42Tの8速用スプロケット、ボトムブラケットが到着すれば取り付け完了です。
到着したクランクを組み立ててみる
期待した順番には到着してくれていませんが、
チェーンリング、クランクという順番に到着しました。
中国製ということもあり、加工なしで取り付けできるのか心配だったので試しておきます。

思ったよりしっかりしており一安心。
XTと書かれていますが、もちろんshimanoのXTではありません。MEIJUNと記載あり。。
チェーンリングボルトも付属していましたが、チェーンリング付属のボルトを使うのでこちらは使いません。

というのも、
チェーンリング側のボルト穴。
実はチェーンリング自体にネジが切られており、チェーンリング自体がボルトの役割を果たします。

チェーンリング側に出っ張りがあり、クランクにハマることでずれないようにしているっぽい。

ということで、チェーンリングとクランクの取り付け向きは固定。

きっちりチェーンリングの出っ張り部分がクランクに無事にハマるんだろうか・・・?
と心配でしたが、

しっかりとハマってくれました。
クランクとチェーンリングの隙間をみると…
まぁ、どちらが悪いのかわかりませんが、精度は気にしたらダメなレベルですね。はい
でも、直留めされているボルトは

ネジ山半分程度。
ちょっと心配なので、

バイク用で使っているネジロックを使って予防策を施しておきました。
きっと普通に使っている程度であれば大丈夫なはず。

ぱっと見はかっこ悪くはないし、それほど安物っぽくもないような雰囲気があります。
そして、
結果論ですが、完全に見た目からの話・・・
BCD104のMTBのクランクには30Tあたりのチェーンリングがツライチにフィットしてくれてイメージ通りの見た目に仕上がってくれています。

一応ナローワイドのチェーンリングなので、チェーン落ちは…
多分大丈夫
実際に装着してみて実際に不具合なく使えれば・・・という感じではありますが。
あとはボトムブラケットとスプロケット待ちというところでしたが、やっと中国から商品が到着したので早速取り付けていくことにします。
3×8をフロントシングル(1×8)なワンバイエイトにする作業
部品も到着し、実際に29erをフロントシングルに変えてみました。

わけのわからない中国製のボトムブラケットを取り付け、

とりあえずスペック云々は抜きにして取り付けはできたと・・・。
でもこれ実はセラミックベアリングで回転が恐ろしくスムーズ。雨とかの耐久性は少し心配です。

そこに11-42Tで8Sのワイドレシオすぎるスプロケットを装着。

ディレイラーハンガーのエクステンションも同梱されていたので、最初にカッチリとめられそうな向きを見つけて仮止めしてみるも・・・
向きが違ったらしいw
最初このままの状態でディレイラーまで組み付けて調整して試運転してみましたが、
実はディレイラーハンガーエクステンションの向きが間違っているので、変速がうまくいく筈もなく・・・(この時にはあまりにもカチッとハマったので取り付け向きの間違いには気づいていないw)
8Sのでかすぎるスプロケットが悪いのかディレイラーが対応しきれていないのか?
色々ディレイラーを外してみて考えていたところ・・・

正解はこの向きだったようでw
最初に間違えた向きでカチッと固定できてしまっていたので、完璧な勘違い。
最初は真下じゃなくて斜め後方にオフセットするのか〜。と感心していたんですが、実はやっぱり真下に向かってオフセットさせるべきものだったらしいw
これで34Tまでしか対応できないALTUSでも42Tを使うことができる様になります。変速も完璧にスムーズというわけではないものの、大丈夫です。
試験的にディレイラーハンガーエクステンションを抜いて42Tを試してみましたが、ロー側でプーリーが接触して使えませんでした。
やはりALTUSではエクステンションなどでディレイラーの延長は必須のようです。
そこはキチンと11-42Tのスプロケットに同梱されているという親切商品。
この部品とワイドレシオすぎる11-42Tのスプロケットが8速のフロントシングル化にもっとも重要なパーツですね。

はい、完成形。
パッと遠くからみているだけではタダのフロントシングル化させた8速と見られることは無いでしょう・・・。
とにかくチェーンリングはちっこくて、スプロケットがでかく。
今っぽい雰囲気はあります。

見た目的にはイメージ通りの仕上がりです。
あとは、ディレイラーの微調整を行い、1~8のシフトがしっかり操作できるのか?チェックしておきました。
スムーズでは無いけども
ま、いいんじゃないでしょうか?
その後、
試運転で試して見ましたが、
フロント30Tでは常用域がトップ付近の2~3枚。フロントはやはり32T~34Tあたりでも良かったのかな〜。とも思ったりするような感じです。
ワンバイエイト(1×8)の感想は?
ノーマルクランクと比較して考えると、
ノーマルでは42/34/24T。
右だけでシフト操作できる8速とはいえフロントシングルのシンプルさは便利という一言に尽きます。
ただ、
もしかしたら軽くなった原因は、重くなってきていたカートリッジBBからホローテックのセラミックベアリングに変えたからじゃないだろうか???とか思ったり。
その真ん中あたりの丁数が街乗りではやはりベストだったようです。
今回はインナーロー側のギア比を意識して30Tを選びましたが、ほんの少しだけトップ側に不満は残ります。

ま、
30Tでも必死に漕がなきゃ全く問題ありません。
ナローワイドなチェーンリングはシングルクランクで使ったとしてもチェーン落ちする気配は一切無く、リアだけでワイドレシオに変速していくフロントシングル化させた8速の感覚はスムーズとは言いませんが、ガッチャンガッチャンとギアが大きく動くオモチャ感はなかなか新鮮ではあります。
フロントシングルの場合のチェーン長
シマノ的なフロントシングルのチェーン長の設定方法は、
リアディレイラーを通さずに、リアはローギアにかけた状態から、
プラス2リンク
https://si.shimano.com/pdfs/dm/DM-CN0001-05-JPN.pdf

プラス2リンクと書かれていますが、シマノ的な表現なので間違えないようにする必要がありそうです。
現状はプラス2リンクに1コマ足した状態で様子見中。
まとめ
8速のMTBのフロントシングル化、1×8(ワンバイエイト)ってどうなんだろう・・・と思ったりもするわけですが、
使用目的である街乗りオンリーという点で考えれば、全く問題ないんではないか?
と思っています。
むしろ十分。
流石に、
エントリークラスのVブレーキの29er MTBに1×11(ワンバイイレブン)とかまでは必要ない。
本気で山に行ったりする場合であれば、物足りないんでしょうけども。。。
多分、自分の街乗り、河川敷、裏山程度を走るくらいであれば全然大丈夫です。
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