2019年12月から法改正があり、運転中のスマートフォンなどをはじめとした
「ながら運転」
の罰金、違反点数が大きく増えました。
特に原付。ヘッドフォンをしながら片手でスマートフォンを操作しながら運転しているという様子を見かけることも案外あります。
昨年の10月頃、
女子高生がヘッドフォンをしながら片手でスマートフォンを操作しながら原付に乗っている後ろを走っていた時、確かに夕焼けが綺麗だったというのもあるんですがいきなり走行中に夕焼けを撮影したりする始末・・・。
ながら運転の事故率
警察庁のサイトによると、ここ5年間のながら運転での事故は1.4倍に増加しているようです。
特に携帯電話等をしようていた場合としていない場合では、死亡事故率が2.1倍に増加しているということ。
この死亡事故率の大きな変化がながら運転罰則強化へ動いた一因になっているものと思われます。
強化されたながら運転の罰則は?
2019年12月以前は、
罰則等(令和元年11月30日まで)
(1) 携帯電話使用等(交通の危険)
罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反 則 金 大型車1万2千円、普通車9千円、二輪車7千円、原付車6千円
基礎点数 2点
(2) 携帯電話使用等(保持)
罰 則 5万円以下の罰金
反 則 金 大型車7千円、普通車6千円、二輪車6千円、原付車5千円
基礎点数 1点
警察庁HP
一般的な違反であれば、点数は1点。反則金は普通車で6000円というレベルでした。
それが2019年12月以降は、
罰則等(令和元年12月1日施行)
(1) 携帯電話使用等(交通の危険)
罰 則 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
反 則 金 適用なし
基礎点数 6点
(2) 携帯電話使用等(保持)
罰 則 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金
反 則 金 大型車2万5千円、普通車1万8千円、二輪車1万5千円、原付車1万2千円
基礎点数 3点
警察庁HP
という具合に一般的な違反で、点数は3点に。反則金も普通車で18000円に。それぞれ3倍に大幅に強化されました。
12月に入った途端に大掛かりなながら運転の取締りが行われるのではないか?
と予想していましたが、3点以上という点数が大きすぎて免停ドライバーが続出してしまうからなのか?
現在思ったほどの大規模取り締まりは行われていないように思います。
それでは、
ながら運転とはどの程度スマートフォンを操作していれば違反になるのでしょうか?
一般的な情報を見ていると、
- 2秒以上スマートフォンを操作していたらアウト
という書き方をされているようです。
ながら運転は2秒以上?
警察庁のサイトから見ていくと、
その中の罰則等の強化という部分。
携帯電話使用等(保持)
警察庁HP
この部分の中で赤字で書いた部分、つまり
保持
この時点で違反対象に該当するということが記載されています。
改正された法律部分を読んでみてもどこにも2秒という文言は記載されていません。
改正道路交通法の条文(令和元年12月1日施行)
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第三号の二において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第三号の二において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
警察庁HP
注視しないこと。
という書き方のように、見てはいけないと書かれています。
では、
なぜ2秒という数字が出回っているのか?
同じ告知ページ内に2秒で自動車が進む距離が目安として記載
おそらくこの罰則が記載されているよりも上に、2秒で自動車が進む距離を参考データとして記載されているからです。
このような形で2秒のデータが記載されており、これが誤解を生んでいる原因かと思われます。
下の表は、自動車が2秒間に進む距離を示したものです(運転者が画像を見ることにより危険を感じる時間は運転環境により異なりますが、各種の研究報告によれば、2秒以上見ると運転者が危険を感じるという点では一致しています。)。
時速60キロで走行した場合、2秒間で約33.3メートル(注)進みます。
その間に歩行者が道路を横断したり、前の車が渋滞などで停止していたら事故を起こしてしまう可能性があります。

確かにこのような情報が、同一ページ内に記載されていれば2秒以上はアウトという解釈をされてもおかしくないかもしれません。
ながら運転の判断基準はその警察官次第
上記のように法律には、
「2秒以上見てはいけない。」
と記載されているわけではありません。
切符を切られるか切られないか?
の判断はもうその目撃した警察官のさじ加減一つと言えます。
切符を切られようとしているタイミングで、
「2秒もスマートフォンを見てないから!」
とアピールしても全く意味はありません。法律的には見ただけでアウトです。
信号待ちでのスマートフォン操作はながら運転?
結論から言えば、
「現状では信号待ちでのスマートフォンなどの操作はセーフ」
とのことです。
法律的には、
スマートフォンなどの携帯電話などを使用する場合
運転中に、どうしてもスマートフォンなどの携帯電話などを使用しなければいけないときは、必ず安全な場所に停車してから使用してください。
警察庁HP
と記載されています。
将来的には、
信号待ちは安全な場所ではないと判断され、ながら運転と見なされてしまうようになる可能性は残っています。
まとめ
バイクでのツーリング中、
ハンドルにマウントしたスマートフォンのGoogleマップを少し拡大したり縮小したりした瞬間を目撃されただけで警察に捕まってしまう可能性は普通にあります。
バイクの場合、
原付で12000円、二輪車で15000円と反則金は若干の違いはありますが、以前に比べて高額であることには間違いありません。
バイクのながら運転をしないようにする対策として一番シンプルで効果ありそうなものは・・・
「スマートフォン操作対応のグローブを使わない。」
のが一番かもしれません。
これだと、
止まってグローブを外してからでないとスマートフォンの操作ができませんし、警察に誤解されたとしてもスマートフォンを操作できないというアピールをすることが可能です。


コメント