なんとか即納の商品を見つけてパイロットベアリングプーラーを購入することができたので、危険性を感じていたフロントハブのベアリングを交換することにしました。

もう、ゴリゴリを通り越してほとんど回らなくなっていたベアリングを確認してしまい、ビビりまくっていたわけですw
ベアリングのガタつき具合によって、フロントのディスクブレーキの引きずりも発生していた為、ひどい状態でした。
さらにその場しのぎでシリコンスプレーを吹き付けたせいで、ほとんど動かなくなっていたベアリングが少しだけ動くようになり、
「ガタガタ、ジャージャー」
異音はひどくなっていました。一気にトドメを刺したような感じだったんでしょう。違和感を大きく感じ始めてからは加速度的に悪化したような印象でしたね。
なんとか急ぎで注文した工具は・・・
ストレート製のパイロットベアリングプーラーです。
天下のAmazonさんで在庫1でギリギリ翌日配達のプーラーを手配できたんです。
不在の危険性を避けるためにコンビニ配達という荒技まで使って必ず翌日に受け取れる環境を作っておきました。
ベアリングを外すときにしか使わない工具にそこそこの出費ですが、専用工具ということで安心感はあります。
おきまりのアストロプロダクツやストレート、高級な工具ではありませんが・・・十分でした。
8000円強ほどの出費でしたが、今後フロントのベアリングのガタを感じた場合でもすぐに対応できるし、仮にバイク屋さんにベアリングの抜き取りだけを依頼できたとしてもそこそこの工賃は請求されそうなので今後の投資ということで・・・
ジャッキアップしてフロントホイールを浮かせる
相変わらずの夜間の作業につき暗い上に、今回はベアリングの圧入作業などもあり騒音の対策なども必要でなかなか大変でしたw
ジャッキアップした後、ウマを実家に忘れてきたことに気づき・・・
急遽工具箱をウマの代わりというか落下対策で置いておきました。
あらかじめジャッキアップする前に緩めて置いたフロントタイヤを外しにかかります。
まずは
忘れないようにディスクキャリパーを外しておきます。

ホイールシャフトのボルトが緩めば、フロントフォーク右側前の六角を緩めてあげるとシャフトが抜ける状態になりますので、緩めておきます。外してしまう必要はありません。
で、ジャッキアップした後にボルトを外し
反対側へ引き抜いていきます。
固着している場合などはハンマーで叩く必要がありますが、普通に抜けそうだったので適当なレンチをシャフトの穴に引っ掛けてぐりぐりしながら引き抜きました。
外す前のベアリングの状態
交換する前にジャッキアップして確認してみたところですが、ガタとガタついた方向によって引き起こされるブレーキの引きずりでひどい状態でした。
これは以前に確認した時の動画です。
ガタと固着でただでさえ回りにくい上に、動画を撮影しているハンドル位置だとブレーキの引きずりも起きています。
フロントホイールを車体から外したので、
ベアリングの外側に入っているシールをマイナスドライバーなどでこじって外します。
外したところがこちら、
こちらはディスク側のベアリングです。予想通りひどいもんです。
右側のベアリングも・・・
「・・・」
まぁそうなっちゃいますよね。汚れ、グリス、サビ。もうただの泥にしか見えませんw
ベアリングが見えるようになったので、ガタ具合をもう一度。
まずはディスク側からシャフトを差し込んでチェックしてみたのがこちらです。
で、右側のベアリングのガタの状態が、
右側のガタの方がひどい状態でした。
少しスプレーをしたこともあり、かろうじて両方ともゴリゴリしながら回転していましたが、どちらもひどいもんです。動けなかったものを無理やり動かそうとしたために一気に悪化したんですね・・・きっと
これだけガタついていればブレーキに負担をかけて引きずりも起こしますよね・・・
ベアリング交換
ベアリングを抜くためにとりあえずは、
の2点さえあればベアリングを抜くことはできます。
あとは
パイロットベアリングプーラーを使うためにスパナ、メガネレンチの系統と六角レンチは必要です。
上記のスナップリングプライヤーは先を穴、軸など複数交換できるタイプなのですが剛性が足りずにハブのスナップリングを外す際にかなり手こずりましたので、買うのならごく普通のスナップリングプライヤーがいいと思います。
パイロットベアリングプーラーは中にはホームセンターなどで販売されているコンクリートアンカーなどでも代用は可能ですが、専用工具の方が作業効率が上がることは間違いありません。
ディスク側にスナップリングが入っているのでまずは外します。
汎用のスナップリングプライヤーだと剛性が足りずに無理やり破壊しながらスナップリングを外しました。要交換です。というかこうなりそうだったので新品を注文済ですw
スナップリングを外してあげると、ディスク側のベアリングを取り外せるようになります。
ここからがパイロットベアリングプーラーの出番です。
ストレートのパイロットベアリングプーラーの
チャック 15mm
を使います。
軸が15mmでチャックも15mmということもあり、入れる際に若干力を加える必要があったので先にチャックのみをいれておきました。
でベアリング内に刺さっているチャックをプッシュボルトで中から広げてあげることでチャックがベアリングにしっかりと噛み付きます。
しっかりと噛み付いたチャック&プッシュボルトをベアリングプーラーで引き抜いてあげるわけですね。
しっかりと固定したチャック&プッシュボルトにベアリングプーラー本体をねじ込みます。
で、
しっかりと固定された状態にしておいて、
ベアリングプーラーのボルトを固定しながら色の違う銀色に見える部分にスパナやメガネをかけて回していくと・・・
「ペキペキ、ポン、ピキピキ」
といった音とともに少しずつベアリングが手前に引っ張り出されてきます。
ほぼベアリングが出てきました。
ベアリングプーラーは、こういう状態で内側からベアリングに噛み付いて引き抜けるようになっています。
というか、
外したディスク側のベアリングですが、残念な姿になってます。。。
「・・・」
これでもなんとか回せると言えば回せるんですけど、ベアリングとしてはすでに機能していませんでした。
おそらくベアリングプーラーがあれば、ベアリング1個を引き抜くのにかかる時間は数分程度で済むと思います。この辺りはコンクリートアンカーなどと違って専用工具なので楽なところですね。
中からカラーを抜き取ることができるので、外したらサビ落としグリスアップをして準備しておきます。
同じように反対側もベアリングプーラーを使って引き抜きます。
右はベアリングが少し奥に入っているので、パイロットベアリングプーラーの手前側の黒いスペーサーの枚数を調整してあげないとうまく固定できないかもしれません。
自分の場合は、2個あるスペーサーのうち小さい方を外して調整しました。
抜けた右側のベアリングです。
こちらの方が堆積物は多く付着していました。
もちろんこちらもベアリングとしては使い物にならない状態でした。
外した残念な姿になったベアリング2個です。
そして、これから入れようとしている新しいベアリングのシールドがない側を念のためにグリスで埋めておきました。
ベアリングの圧入の際には、ベアリングインストーラーといった専用工具もありますが、
バルカンの場合には
バルカンのベアリングの外径42mmにあった外径40mmの塩ビパイプで叩き込めます。
左に写っている塩ビのエンドキャップのようなものが今回のSSTです。
叩き込む際にはベアリングの外側を叩く。
内側を叩いてしまうとベアリングを痛めてしまうことがあるので注意です。
外径が40mmの塩ビパイプだとはまって取れなくなることもなくしっかりと外側を叩くことができます。
ちなみに、
自転車などのニップルレンチ(スポークレンチ)もほぼ40mmなので代用することができます。
IceToolz(アイスツールズ) 12F8 鍛造スポークレンチ 10G-15G
自分が持っているのはiceToolzというところのニップルレンチですが、多分量販店でも在庫しているようなやつです。
ただ!
夜間に叩いて圧入すると
「ゴン、パーン、カン」豪快な効果音が近所に響き渡ります・・・
騒音がやばかったので、車にホイールとハンマーを積んで車で5分ほどの大きな公園の駐車場に移動し圧入することにしました。
夜間のベアリングの圧入作業は近所迷惑になります!w
ベアリングを叩いて入れる際、
バルカンの場合は
- ディスク側は目一杯奥まで入れてスナップリングで固定
- 反対側は中に入っているカラーと軽く接触する程度。叩き込みすぎるとベアリングの回転が渋くなりますので少しずつ圧入しながら回転やカラーとの接触具合を確認して入れる
右側のベアリングを入れすぎると上記映像のようにはベアリングは回りません。スムーズにベアリングが回転するか入念にチェックしておきます。
新品ですのでガタはもちろんありません。回転ももちろん異音もなくスムーズです。
で両側のベアリングを交換して動きを確認してみたのがこちらです。
周りが暗くてわかりにくいですが、スムーズにというか普通に回転するようになりました。
まとめ
交換後、
もちろん回転はスムーズになり、ハンドルを切ったりする際のガタもなくなりました。
何台もバルカンを乗り継いでいるわけでもないので、バルカン素人なわけですが・・・
情報が多かったフロントハブベアリングのガタ。
自分の車両も同じ症状になっていました。
全くと言っていいほど回らなかったフロントハブがスルーっと回るようになったんですから、実は燃費が良くなったりするんじゃないか?
とワクワクしているわけですw
構造上、右側のベアリングの外側にあるオイルシールに不安を覚えるので、タイヤ交換くらいのサイクルで一緒に交換してあげるとベアリングの寿命も伸びそうな気がします。
が!
負担をかけすぎていたせいか、若干ブレーキを引きずるような感覚を受ける時があるので、ディスクキャリパーは確認しておいた方が良さそうです。
目視の確認ではローターの歪みは大丈夫っぽいので、ブレーキパッドの面取り修正、キャリパーのピストン部、キャリパーサポートの可動部分の再清掃あたりをしてみたいと思います。
それでもダメなら
最悪の場合はキャリパーサポート交換、
さらにそれでもダメならローター交換コースです。
なかなか終わりが見えませんw
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