クルマでもバイクでも電気配線を触ったことのない方は、
「バッ直?」
「リレー?」
「アース?」
ってなると思います。
今日は、難しい理論は無しにして全く配線などを加工したことが無い人に、少しでもわかりやすいように解説しておきたいと思います。
まず、前提として
電気部品(バッテリーを含む)を外す際には、
マイナスを外してからプラスを外す
取り付けの際には、
プラスを繋げてからマイナスを繋げる
というのが基本です。配線の色は赤がプラス配線、黒がマイナス配線。そのほかの色の組み合わせになっている場合は・・・調べてください。
これさえ守っていれば案外壊れにくいものなので、チャレンジしてみてはどうでしょうか?
バイク、車の電気には流れる方向が存在します
家庭用のコンセント。
これはどのように差し込んでも電気が流れます。
「交流」
と言います。
一方で、クルマやバイクの電気には流れる方向が存在するので難しく考えてしまうのでは無いでしょうか?
基本的な流れは、
バッテリーのプラス ⇨ 電装品(例えばライトなど) ⇨ バッテリーのマイナス
というふうに流れると考えてもらって問題ありません。
「直流」と呼ばれます。
基本的には電気部品を上記のように配線していれば作動、点灯します。
基本的には配線は、
バッテリーから直接配線をしたり、通電している元の配線から分岐させたりして電装品に繋げていきます。
マイナスとアースというのは同じ意味と捉えて基本的には問題無し
ここで頻繁に配線などの際に、
「アース」
という文言を目にすることと思うんですが、
アース=マイナス
と捉えてもらって基本的には大丈夫です。
バッテリーから電気を受け取り、最終的にバッテリーのマイナスに循環させていくわけですが、電装品全てをバッテリーのマイナスに配線していく代わりに、
電装品 ⇨ 車両ボディ ⇨ バッテリーのマイナスへ
流れていく構造になっています。
例)バイクのウィンカー(一本しか配線の無いタイプ)でも点灯する
配線が一本しか出ていないのに点灯する? ⇨ その一本の配線はプラス配線です。マイナスはボディ(鉄の部分)を通して流れていくので通電するわけです。
ボディを通過する電気の流れは最終的にはバッテリーのマイナスへ戻っていく配線があります。
バッテリーのプラスから直接電気を取ると起こる不具合
上記のように電装品をバッテリーのプラスから配線し、マイナス、アースしてあげると通電するので、
「電装品は作動します」
が、
ここで問題が発生します。
バッテリーの残量がある限り電装品が作動しっぱなしになる!
当然の話ですが、バッテリー本体にはスイッチ的なものは存在しませんので、直接繋げてしまっては、
通電しっぱなし、作動しっぱなしの状態になってしまいます。
そうすると、乗っていようが乗っていなくても電気を消費してしまうわけです。
そして、
必然的にバッテリー上がり。
常時電源とかアクセサリー電源とか言われるモノ
ここでキーワードとして必要になってくる言葉が二つ。
- 「常時電源」
- 「アクセサリー電源」*ACC電源と省略されたりも
常時電源とは・・・常に車両の状態に関係なく電気が流れている配線のこと。バッ直もこれに該当します。
アクセサリー電源とは・・・バイクであればキーがONの位置になった時に通電する電源のこと。
つまりアクセサリー電源から電気を分配してもらえば、電装品が作動しっぱなしということが防げるわけです。
配線がどの状態の時に通電しているのか?
を確認するときのアイテムが、
というわけです。
こういったデジタルテスターも便利ですが、通電しているかどうか?だけの判断であれば、
最初はこういった通電していれば光る。というシンプルな検電テスターの方がわかりやすいかもしれません。
何気に自分も愛用してます。
こういったテスターでどのタイミングで通電しているのか?
を判断して電気配線をするわけですね。
ちなみにアクセサリー電源でメジャーなところで挙げていけば、テールランプ、ホーンなどがパッと思いつくでしょうか・・・。
こうやってアクセサリー電源などから分岐させて電装品を使えるようにするわけですが、そういった際にも不具合がまた起こる可能性があるわけです。
その配線で送れる電気のキャパを超えてしまう可能性がある!
家庭電源であれば、ブレーカーが落ちる。クルマ、バイクであればヒューズが飛ぶ。というのがキャパを超えた時に起こる症状の一例です。
そこでクルマ、バイクなどで利用するアイテムが
「リレー」
と呼ばれるものです。
分岐させて問題ない程度の電力消費の電装品であれば大丈夫ですが、心配であればリレーを使う方がベターでしょう。
ただし、何でもかんでも
リレー、リレーと作業してしまうと、リレーだらけでミットモナイ。
ってなっちゃうこともありますので。分岐で大丈夫なものは分岐させてもいいかと思います。
リレーっていったい何をする?
ここを見て理解できればいいのですが、もっとシンプルに書いていくと、
ここにエーモンというメーカーのリレーがあります。
使い古しですが、
実際の使い方で書くと、左側にある2本の配線がプラスとマイナス。
右側の2本がバッテリーのプラス用とと電装品のプラス用です。(テープで覆っている白の配線は無視してください)
リレーの作用としては、
右側の2本は基本的には通電はしません。
左側にある2本のプラスマイナスで通電が確認されると、バッテリーのプラスに接続した配線から電気が流れ、右側の電装品用のプラス配線に電気が流れることで電装品が作動する。
という仕組みです。
どう使うのか?
例えば、アクセサリー電源から電気を取得したい場合。
左側の2本には、既存のアクセサリー電源で使えている電装品を接続します。
そして、
右側のバッテリーへの配線を接続、そして電装品用のプラス配線を電装品のプラスへ。
で、 ⇨ 電装品のマイナス配線は普通通りにアース。
こういう形に配線することで、アクセサリー電源が作動時のみ電装品へバッテリーから直接電気が送られるという仕組みになります。
リレーを使ってバッ直
というのがこの状態ですね。
ちなみにバイク用であれば大きなリレーよりも小さなリレーの方が配線の収納が楽になると思います。
こんなやつ
リレーを使うと、
アクセサリー電源が非作動時には 「A」、アクセサリー電源が作動時には「B」という風に切替器のような使い方をすることも可能です。
ちなみに、
古いバイクでヘッドライトリレーを作成し、バッテリーから直接電気を送ってあげるとヘッドライトが明るくなったりすることも・・・
おまけ
配線をつなぐ際、ギボシ端子や半田ごてが無い場合や、とりあえず繋いで様子を見てからしっかり結線したい場合など、

上記の方法でよじっておけば、通常に比べてはるかに外れにくくなります。むしろ、下手なハンダやギボシよりも外れない。
一度お試しあれ。
まとめ
まずは、
プラスからマイナスへ電気が流れていく。この理屈がなんとなく頭に入れば順番に色々なことを覚えていける思います。
リレーなどが複雑だなー?と思うんであればまずは、エレクトロタップなどで電気を分岐させてみることから初めてみればいいんではないでしょうか?
こんなことを書いてみたのも、実はたまたま寄った部品屋さんで
インチハンドル用のグリップヒーターを50%オフでゲットしてしまったから・・・
な訳ですw
スカチューンではなくしっかりとしたノーマルサイズのバッテリーを搭載しているために電力の心配をすることが無くなったので、
「今年はグリップヒーターをつけるかなー」
と思っていた矢先の話。
寒くなってしまってからでは遅すぎるので、少し早めに取り付けることにします。








コメント
突然すみません。
教えて頂けたら助かります。
全くの知識が無く途方に暮れていた中見つけました。
スズキのアドレス125の現行車DT11Aを所有していまして、ドラレコを購入しましたが電源の取り方が全くわからない状況です。
ドラレコはAkeeyoというメーカーのAKY968Gというものです。
電源ケーブルは3本あり、説明書には電源ケーブルによる接続は赤はバッテリーのプラス、白はアクセサリー電源プラス極、黒はアース又はマイナス極と書かれていますが、恥ずかしい話どうしていいか全くわかりません。
ネットで調べたところ使われていないカプラーがあるようなのですが、どのようなカプラーを購入してどの線を繋いで、どれが余り、余った線はどうすれば良いのか教えて頂けませんでしょうか?
勝手なお願いとはわかっていますが、ブログの内容がやさしかったのでお願いする次第です。
よろしくお願い申し上げます。
はじめまして^_^
ドライブレコーダーですね?
極論で言えば、
常時電源、アクセサリー電源ともにプラスに、アースをマイナスに接続すればドライブレコーダーは作動します。
しかし、
ドライブレコーダーが作動しっぱなしになってしまうために、
常時電源(ドライブレコーダーの設定の保存など)で機能させる部分、
実際のドライブレコーダーの作動はアクセサリー電源で。
といった形で別れているわけです。こうすることでキーがアクセサリー電源が入る位置になって初めて作動。という実際の運用に適する訳です。
アドレス125を所有しておりませんので、あくまで参考として考えていただければ…
と思うのですが、
おそらくカプラーというのは、
純正オプションのグリップヒーターのカプラーではないでしょうか?
メーター下周辺にあるかと思います。
グリップヒーターの取付などて一度検索してみてはいかがでしょうか?
https://ameblo.jp/motosports/entry-12217006272.html
おそらくこの辺りが参考になるのではないでしょうか?
カプラーを見つけることができれば、あとはそのカプラーに合うカプラーを入手するか、カプラーを切ってしまってドライブレコーダーの配線と直接繋ぐ。
ただしどの線が常時電源、アクセサリー電源、マイナスかは検電テスターなどで調べておくほうが安全です。
ちなみに2極カプラーの様ですので、ドライブレコーダーの常時電源に接続する配線は、直接バッテリーのプラス端子に接続する形になると思います。
もしそれでもまだお困りのようでしたらお知らせください
TJさま
ご返信ありがとうございます!
まさか返信して頂けるとは思っていなかったので大変嬉しいです。
空いているカプラーはヘッドライト裏にありました。ご指摘の通りグリップヒーターを取り付けることができるものだと思います。
教えて頂いた動画を見ました。参考になりました、ありがとうございます。同じカプラーを購入しようと思っていますが、教えて頂いた通り2極なので、あと1本をどうするか考えてしまいます。直接バッテリーのプラス端子だと距離があるのと、どこかに穴を開ける必要があるのかなと考えると躊躇してしまいます。できれば穴を開けない方法でと考えていましたものなので。
少し考えてみようと思いますが、ヘッドライト裏周辺、ハンドル周辺でバッテリーのプラス極に接続する事と同様な接続方法は無いものでしょうか?
突然の問い合わせに真摯にご回答くださり本当にありがとうございました。
おそらくなんらかの配線がバッテリーのプラスに通っているはずですので、その線に這わせて配線を延長してあげれば穴あけせずにバッテリーまで配線できるはずです。
もしくは、検電テスターで常に電気が流れている配線をカプラー付近で探してその線にエレクトロタップなどで接続するか?ですね
TJさま
本当にありがとうございます。
教えて頂いた内容で自分でよく考えて実践してみます。
上手くいってもいかなくても報告させて頂きます。
ありがとうございました。
いえいえ^ ^
頑張ってみてください
作業中は念のためにバッテリーのマイナス端子は外しておくこと。
配線が裸にならならように絶縁テープで必ず処理しておく。
配線が走行中にバタバタしないようにある程度固定しておく。
これくらいでしょうか…?
大変遅くなりましたがドライブレコーダーを取り付けることができました。
アドレスのフロントのパネル?を開けたところ、一極カプラーと四極カプラーの内二極だけ使われているカプラーがフリーの状態であることがわかりました。
一極カプラーがバッテリー常時接続で、二極カプラーの方はアクセサリー電源とマイナスでした。同じ形のカプラーを探しあて入手して、さぁ取り付けと思った時に追突されて修理に3週間要しました。修理も終わり先週末に取り付けしたところ無事動作してくれました。
見ず知らずの私に色々アドバイスをくださり大変感謝しています。
アドバイスを頂けた事で挫けずに頑張ることができました。本当にありがとうございました。
あらら…
タイミングがタイミングだったようで、お体は大丈夫だったでしょうか?
結局電気周りってチャレンジしてみて1つ覚える。
そんな積み重ねです。
失敗してヒューズを飛ばしてまた1つ覚えるわけで笑
同じ車両は持っておりませんので的確なアドバイスはできませんが、アドバイス程度であれぼ可能ですのでまたお困りの際にはお立ち寄りくださいませー
初めまして!
いろいろとネットでヒントを探していたところ、この投稿を拝見いたしました。
スーパーカブ50を素人ながらも楽しくいじっていました。
バーハンにしてみたり・・・スイッチを動かしてみたりなどして、完成してしばらくは問題なく乗れていたのですが、最近になって問題が発生しました。
ホーン・ウィンカー・ブレーキランプが全滅・・・・。
ヘッドランプは通常通りなのですが、テールランプがとても暗いです。
バッテリーを新品に変えたのですが、問題は解決せず・・・。
バッテリーの次はどこを確認すればいいでしょうか?フューズは切れていませんでした。
アドバイスなどありましたら、お願いします。
初めまして
手元に車両がないのでなんとも言えませんが、まずは何をしていた時からその症状が出たのか?
ですね・・・
電装系を加工中にそうなったのであればやはりショートでのヒューズ切れを自分であればまずチェックします。(結構見落としがあったりします)
もしくは加工した配線が断線しているとかもあり得るかもしれません。
あとはテスターなどで順番に地道に通電の確認をしていくしか無いですね〜。
なるほどですね・・・・。
テスターでどこまで電気がきているのか地道に確認していくしかないですね。
ど素人ですが、頑張ってみます!!
アドバイスありがとうございました!
お役に立てずに申し訳ありません^^;
ヒューズと自分が触った部分の配線周辺から確認していくのが一番早いかもしれません。